今PCを買おうと思ってる奴、今は買うな!時期が悪い!??

さて、どうだろ。
特に今、自作PCでホットな話題といえばCore i7 やらPhenom II やらRadeon4770やらGTX275やらやらです。
その中でも一番はやはりCore i7かと。


私のCPU遍歴はPentium3→Pentium4PentiumD→PentiumM(ノート)ときています。
未だにあの悪名高きPenD、オレゴンの悪夢と長年の付き合いをしております。
ですが、冬は暖房要らずという省エネ!?CPUだったりします。

しかし私もそろそろPCを買い換えたい、CPUに限界を感じてきたわけです。
HD動画なんてものがカクカクしてくるわけですよ。
そこで、現在新しいPCを組もうかと考え中です。
だが、今回こそは「おまえんちのCPU、PenDだろーーーバーカ、バーカ」といわれたくないわけですよ。


そこで素人ながら。*1今PCを買うのは時期が悪いのか、どうかを考えてみたいと思う。
まぁ備忘録ですが。

今、新しくPCを組む人の選択肢


今、新しくPCを組む人の選択肢としてはまず、ソケットで大きく2種類にわかれると思います。

  • LGA775で組む(Intel Core 2で組む)
  • LGA1366で組む(Intel i7で組む)


もしくは

  • 時期が悪い!待つ!


AMDに関しては今回はすみません。すみません。すみません。
ではどっちで組めばいいのか。答は人による、です。
そんなこたーみんなわかってんだよ!で、どっちなんだよって話だと思うので私の考えを書きます。

  • ハイパフォーマンスPCを組みたい→Core i7
  • それ以外→Core 2

私の考えはこれです。
もし新しくハイパフォーマンスPCを新しく組みたいと思っているのであれば、Core2という選択肢はあがりません。
おいおい、またオレゴンの悪夢を見たいのか、っていう人もいると思いますがたぶんそんなひどいCPUではないと思います。


新しくPCを組む人でハイパフォーマンスを求めるならCore i7

しかし、新しく1から組む場合でハイパフォーマンスを求めるならi7だと私は思います。
なぜならハイパフォーマンスCPUは今後LGA775ではもう出ないからです。
んなこと言ってもi7は短命に終わるって!という方がいらっしゃると思います。これについては後でも触れますが、今現在買う選択肢としてLGA775かLGA1366があり、この2つの寿命を今からそれぞれの最後の時までを比べたとき、確実にLGA1366の方が長くなります。


また、C2Q(Core2 Quad)9650とi7 920だったらほとんど性能的に変わらないだろって言う人もいると思います。


そこで、ここでは特にハイパフォーマンスCPUとしては競合する「17 920」と「Q9650」の性能と価格について考えてみましょう。*2



性能については明らかにi7が上です。特にC2Qがデュアルコア*2だったのに対してCore i7はネイティブクアッドなので、C2Qよりも更に「ながら」作業には強いです。エンコーディングを行いながら作業するなどでは明らかに違ってきます。
またHPC関連の作業にも強いらしいです。それについてはたるさんのHPなどをご覧ください。


しかし、一部のソフトやゲームではCore2シリーズのQ9xxxの方がいいスコアで動いたりします。
参考として、こんな表も2chに貼られていたりします。


◆Q9650を1.00とした相対性能

i7 965 i7 920 QX9770 Q9650 Q9550 Q6600 P9950 E8600 E8400
1.37 1.13 1.06 1 0.95 0.78 0.72 0.57 0.51 Fritz11
1.53 1.27 1.04 1 0.94 0.74 0.83 0.58 0.52 MainconceptReference1.5.1
1.25 1.05 1.07 1 0.95 0.77 0.82 0.6 0.54 AVG8
1.36 1.13 1.07 1 0.94 0.76 0.79 0.63 0.56 Cinema4DRelease10
1.38 1.16 1.06 1 0.95 0.75 0.77 0.63 0.56 3DStudioMax9
1.43 1.2 1.06 1 0.94 0.77 0.72 0.62 0.58 PremiereProCS3HDTV
1.41 1.18 1.06 1 0.95 0.76 0.62 0.73 0.66 Nero8Recode
1.63 1.32 1.06 1 0.94 0.77 0.85 0.79 0.72 DivX6.8.3
1.58 1.28 1.02 1 0.97 0.78 0.83 0.8 0.78 WinRAR3.8
1.05 0.97 1.01 1 0.99 0.93 0.92 0.88 0.83 SupremeCommander
1.38 1.09 0.99 1 0.95 0.73 0.65 0.97 0.83 WorldInConflict
1.03 0.91 1 1 0.98 0.8 0.71 0.92 0.85 UnrealTournament3
1.16 1.03 1.02 1 0.97 0.85 0.9 0.89 0.85 Studio12
1.08 0.91 1.09 1 0.95 0.8 0.69 1.06 0.97 Acrobat9Pro
1.11 0.92 1.06 1 0.93 0.79 0.72 1.1 0.99 iTunes
1.23 1.06 1.08 1 0.97 0.96 0.81 1.05 0.99 Crysis
1.27 1.04 1.06 1 0.95 0.76 0.75 1.09 0.99 XviD1.1.3
1.05 0.88 1.07 1 0.94 0.8 0.72 1.11 1 PhotoshopCS3
1.13 0.94 1.08 1 0.95 0.77 0.71 1.11 1 LameMP3
1.05 0.87 1.08 1 0.97 0.8 0.69 1.11 1.02 Winzip11

確かに一部のソフトではC2Qの方がいいスコアが出たりします。また一部のゲームなどではCore i7のHTをきらないとうまく動かなかったり、L2キャッシュがうまく動作しないなどの報告があるようです。
特に1920x1200など高解像度でゲームを行う場合にはなぜかスコアが落ちるようです。チップセットの問題??
参考:http://www.tomshardware.co.uk/socket-am3-phenom,review-31508-10.html
しかし全体としては上の表のように約10〜30%向上が見られます。また「Core i7は最下位モデルでもCore 2の最上位を凌ぐ」といった記事も参考になります。
よって性能としてはi7 920に軍配があがります。


んなこと言ってもコストを考えたらi7 920じゃないだろ。って声もあると思います。
簡単な見積もりを下記に載せてみます。

  CPU マザーボード メモリ6G
i7 920(D0) ¥27,980 ¥22,000 ¥6,980 ¥56,780
Q9650 ¥31,480 ¥13,000 ¥5,910 ¥50,390

となる。
CPUについては最安値を、メモリについては6G*3での最安値を、マザーボードはおおよその値段を用いた。*4
マザーボード適当じゃねーかよ、ってのはごめんなさい。マザーボードに関しては機能の有無で値幅があるので。
またi7のマザーボードはエントリーモデルで価格計算しています。(P6TとかX58 ProとかEX58-UD4とか


さて、6000円ほどの差額になる。これを高いと感じるか安いと感じるかはそれこそ分類しようがないのでやめておくが、上記の2ch性能表や他所のレビューなどを呼んでも私は安いと感じた。
さらにDDR3-1333についてはまだ少しだけ今後も使える可能性があるので、メモリの移転可能性を含めても安い気がする。
そのためコストに関しては、どっこいどっこい、少しC2Qの方が安いといったところ。




んなこといってもi7とCore2じゃ消費電力が違うんだよ!って人もいると思います。
もちろんそうです。
TDP(CPUの最大放熱量)で言うとCore i7は130WでCore2のQ9650は95Wです。

  CPU マザーボード メモリ6G TDP
i7 920(D0) ¥27,980 ¥22,000 ¥6,980 ¥56,780 130W
Q9650 ¥31,480 ¥13,000 ¥5,910 ¥50,390 95W

ですがTDPはあくまで「最大」放熱量なので変化します。これについては消費電力比較としてこんなデータがあります。
消費電力

この差をどう見るかは人それぞれでしょうが、私はたいして変わらないなと思いました。


結果としては消費電力に関しては当たり前ですがQ9650に軍配があがりました。



ですが、あくまでハイパフォーマンスPCを組みたいと思っているので重要度が変わってきます。
私にとって重要度を比で表すと
性能:コスト:消費電力=8:5:2
ぐらいです。適当ですが。そのため総合的には

  性能 コスト 消費電力
920
Q9650

でもi7 920を選択しようと思っています。

新しくPCを組む人で高性能が必要でない人はCore2

しかしそんなハイパフォーマンスPCは欲しくないし、そもそもオーバースペックだという方はCore2で組む方が安くつくし、ほとんどの人にとってi7はオーバースペックな代物である。


ほんとに。


なのでコストパフォーマンスを求める方などはE8500などをお求めになると良いとおもう。E8500で力不足っていうのは普通のPCユーザーにはあまりないと思うし、これでもオーバースペックなことがほとんど。


一応先ほどと同様に見積もりを載せると

  CPU マザーボード メモリ6G TDP
i7 920(D0) ¥27,980 ¥22,000 ¥6,980 ¥56,780 130W
Q9650 ¥31,480 ¥13,000 ¥5,910 ¥50,390 95W
E8500 ¥18,280 ¥13,000 ¥5,910 ¥37,190 65W

となる。これを見ると920とE8500は20000円近い差になってだいぶ違ってみえる、と思う。
(また、ハイパフォーマンスPCではこれにプラスαとしてVGAやら電源やらで大きな差が出てくるので総額としては5万ぐらい変わってくる。)

すでにLGA775マザーボードを持っている人でハイパフォーマンスPCが欲しいならQ9650


最後に、すでにソケットがLGA775マザーボードを持っている場合であれば私は迷わずQ9650を買うと思います。
なぜならその場合は

  CPU マザーボード メモリ6G
i7 920(D0) ¥27,980 ¥22,000 ¥6,980 ¥56,780
Q9650 ¥31,480 ¥0 ¥0 ¥31,480

となり、性能差に対して出費がでかすぎるからです。



ここまでのまとめ

  性能 コスト 消費電力
920
Q9650
E8500

*5

  • 新しくハイパフォーマンスPCを組む人→Core i7
  • 新しくハイパフォーマンスPC以外を組む人→Core2 (E8500とか)
  • すでにLGA775マザーボードを持っている場合でハイパフォーマンスを求める人→Core2 Q9650など

Intelの今後の予定


そんなこといっても、今i7買ってどんだけ持つんだよ!ってのが気になってきます。これを正確にいうと、今LGA1366のマザーボード買って、そのソケットはいつまで持つんだよって話です。もしCPUが時代遅れになっても、自分のマザーボードのソケットが最新のCPUに対応していれば、CPUを載せかえればいいだけです。*6


さてその前に、タイムリーなところではこんなニュースがあります。

そうです、core i7という名のCPUが早くも撤退か!?というようなニュアンスさえ感じられる記事です。

しかし、ここにIntel デスクトップ向けロードマップがあります。
これを見ると2009年第2四半期に上記のi7-965/940を捨てて、975、950に移行することは前から予定されていました。
なので別に予想外にi7の寿命が縮まったとかそういうことは無いようです。


じゃ、ソケットLGA1366はいつまでもつんだよ。って話になります。これについてはあくまで予定ですがGulftownはLGA1366でも対応できるらしいです。
Intel Gulftown 32nm 6-core should work with X58 boards


ここで次のIntelのCPUを簡単にまとめますと

コード名 名称 コア数 スレッド数 投入時期 ソケット TDP
Bloomfield Core i7 4Core 8スレッド 投入済み LGA1366 130W
Lynnfield Core i5 4Core 8スレッド 2009 Q3,2010 Q1 LGA1155 95,65W
Clarkdale Core i3 2Core 4スレッド 2010 Q1 LGA1155 65W ?
Gulftown Core i7(後継) 6Core 12スレッド 2010 Q2 LGA1366 130W


このように見てきますと、LGA1366を持っていれば何かスペックに問題を感じても最悪?ハイエンドのGulftownに乗り換えることができます。しかしi5やi3を待ってもおそらくi7から劇的な変化は得られないと思います。
というのもintelのラインナップを考えてもあまりi7(Gulftown)を食ってしまうような製品は投入できないでしょうし、そもそもシングルコア性能を上げない限りほとんど体感できるような性能向上は見られないのではないかと思っています。

そのためCore2を持っている人はSandyBridgeまで待ってみるのがいいんじゃないでしょうか。おそらく性能に不満は感じないでしょうし、感じたとしてもQ9650に変えればイイ。
ですが、Core2は今後更なる性能の高いラインナップはありません。i5,i3に取って変わられます。そういう意味で今新しく買うならi7の方がソケットの寿命は長そうです。



長くなりましたが今PCを買おうと思っている人に対して、私の結論を述べますと、

  • Core2 を持っている人はi7への乗り換えはほぼ必要ない
  • ハイパフォーマンスPCを「新しく」組むならi7
  • コストパフォーマンス考えて、使用用途も性能を要求しない用途ならCore2
  • 今現在、性能不足を感じている人は、待ってもそれほど性能向上は見込めなさそう


ゆえに、ハイパフォーマンスPCを組みたい人にとっては悪い時期ではない。という結論になります。
しかしまぁ結果としてCore i7はCore2ほど長寿のCPUではないのは残念、といったところです。



しかし・・・恐ろしいことにPCはCPU(ソケット)だけではないのです。
これに加えて

今現在、i7のチップセットはx58だけですがx68が年内にも投入されるとか、されないとか。
またメインストリーム向けのチップセットIbexpeakことIntel 5シリーズチップセットのP55なども投入されてきます。

  • メモリの値段上下

メモリの値段に右往左往するスレなんてのもあるぐらいです。

夏ぐらいにはRadeon5xxxが投入されるとか、されないとか。
時期に関わる考えるべきことは山盛りなのです。



つまり、できるだけ考慮したならあとは勢いです。
ってことで私は買おうかなと思っています。もし購入したらまた記事を書こう。

*1:専門的な難しいことはわからないが

*2:E8600はintelのロードマップ的にもMainstream2に分類されているのでハイパフォーマンスCPUではないかな

*3:i7では3Gか6Gってのが多いですが、Q9650で3G載せるのはあまりないので6Gで比較。またメモリの種類はPC3-10600(DDR3-1333)とPC2-6400(DDR2-800)で比較。

*4:X58は15000〜35000円。

*5:E8500の性能を△にするのはおかしい気もするが、3つの相対値として

*6:一般にはCPUが時代遅れになれば、ソケットも時代遅れになっていますが