チェーザレ 6巻

チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス)

買ってなかったので、昨日買ってきた。
買っている数少ない漫画。昔はもっと漫画を買っていたんだけど、今は数えられるほどしか買ってない。


知らない人のために全巻に記されている序文を転記。


かつて世界には、全ヨーロッパを支配する大帝国が存在した。
ローマ帝国
北はイギリス、南はアフリカに及ぶ広大な地域を征したその大国は、やがて衰退を始める。
定刻は最後の望みをかけ、それまで信じた神々を捨て、邪教と迫害した宗教、キリスト教を国教化する。
そして聖都ローマの市況は次第に特別な権力を手に入れていった。
キリスト教会の酋長、"教皇"の誕生である。


帝国の瓦解後、世界は政治的支柱を失う。
この戦乱と分裂の時代、信仰だけがかろうじてヨーロッパを緩やかにまとめ、かつ支配した。
そのため宗教上の最高権力者たる教皇は、次第に皇帝をもしのぐ力を持つようになった。


だが「人はパンのみに生くるにあらず」とはいえ、闘争の解決には武力が必要であり、
政治と経済という世俗的な営みも不可欠である。
そこで世界は精神の統治を"教会の仕事"、現実的な肉体の統治を"世俗の仕事"とし、
すべてはこの「聖と俗」の二重構造のもとに置かれ、
法律も教会法と世俗の市民法の二つにまとめられた。


教皇と皇帝。
時に両者が友好関係を結ぶことで、帝国が再生することもあったが、
しかしその均衡を保つことは困難だった。


教皇が清貧の理想よりも世俗世界の支配に関心を持つことで、信仰は腐敗し、人々は精神的礎を失った。
そして世俗も相次ぐ戦乱に疲弊し、世界を統一するだけの力を持つ君主が現れないまま、
ヨーロッパはさらに細かく分裂し、果て無き闘争を繰り返していく。


かつて世界には、全ヨーロッパを支配する大帝国が存在した。
ローマ帝国
北はイギリス、南はアフリカに及ぶ広大な地域を征したその大国は、やがて衰退を始める。
定刻は最後の望みをかけ、それまで信じた神々を捨て、邪教と迫害した宗教、キリスト教を国教化する。
そして聖都ローマの市況は次第に特別な権力を手に入れていった。
キリスト教会の酋長、"教皇"の誕生である。


帝国の瓦解後、世界は政治的支柱を失う。
この戦乱と分裂の時代、信仰だけがかろうじてヨーロッパを緩やかにまとめ、かつ支配した。
そのため宗教上の最高権力者たる教皇は、次第に皇帝をもしのぐ力を持つようになった。

だが「人はパンのみに生くるにあらず」とはいえ、闘争の解決には武力が必要であり、
政治と経済という世俗的な営みも不可欠である。
そこで世界は精神の統治を"教会の仕事"、現実的な肉体の統治を"世俗の仕事"とし、
すべてはこの「聖と俗」の二重構造のもとに置かれ、
法律も教会法と世俗の市民法の二つにまとめられた。


教皇と皇帝。
時に両者が友好関係を結ぶことで、帝国が再生することもあったが、
しかしその均衡を保つことは困難だった。


教皇が清貧の理想よりも世俗世界の支配に関心を持つことで、信仰は腐敗し、人々は精神的礎を失った。
そして世俗も相次ぐ戦乱に疲弊し、世界を統一するだけの力を持つ君主が現れないまま、
ヨーロッパはさらに細かく分裂し、果て無き闘争を繰り返していく。
教皇、皇帝、そしてその座を狙う諸国の王侯貴族。
そのすべてが野望むき出しに争う中世、イタリアはその中心地として最も混迷を極め、
戦乱の渦の中に置かれていた。


再生という意味のルネッサンス(=リナシメント)という言葉が指すのは、
この理性ないき戦慄の世界を生き延びるために、古びてしまったキリスト教に代わって求められた、
古代のローマ帝国智慧、つまり人間の力の再生にほかならない。
神に愛される理と知と才に溢れる万能人。
それこそがルネッサンスの理想とする天才像だった。
そしてこの時代の転換期に、イタリアは芸術の天才に匹敵する、
新しい政治の天才、
圧倒的な力量=ヴィルトゥの出現を待っていたのである。


つまりチェーザレ・ボルジアの話です。以前にチェーザレ・ボルジアの本は

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

のみ読んだことがあったが、それだけ。


この漫画では小説や巷で描かれているチェーザレ像よりはずっと人らしく描かれている。とにかく興味を少しでも抱いた人はまだ6巻までしか出てないので一気に買って読んでみるがよろし。


6巻ではチェーザレの暗殺の主犯が明らかになる。その中でチェーザレ、アンジェロ、ミゲルのそれぞれの思い。
言葉で詳細に語られないで、その表情でそれぞれの思いが語られる。やっぱりこれが漫画の醍醐味の1つ。
チェーザレの暗殺は未遂に終わった。しかし、いよいよ教皇の病状が思わしくなくなってき、各有力者達は次期教皇の座を巡って蠢動を強めている。チェーザレの父ロドリーゴ・ボルジアももちろんである。


そんな中、降誕祭が近づきチェーザレはその司祭として出席が決まっていた。その出席に際してあまりに華美な服を父ロドリーゴは用意をし、それに対して思うところがあるチェーザレ、そしてそれを察するミゲル。
2人は、2人で過ごしたかつての憧憬を思い返しながら、降誕祭の日を迎えた。

ここまでが6巻のあらすじとなる。

あとは二代目ガンディア公ホアンのキャラが結構好きだ。